Skip to content
探す  
    May 16, 2022

    コロナ禍におけるリモート審査・リモート監査の実施

    2020年1月15日。 日本国内で最初の感染者が確認されてから、2年以上が経過し、確認された感染者数は833万人、亡くなられた方が3万人を越える状況となっています。世界に目を向けると、累計感染者数は5億2100万人、亡くなられた方は626万人に達しています。

    Nemko Japanでは、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的退所方針」「Nemko Group 感染症対策ガイドライン」に基づき、2020年3月より、情報発信、日々の体温測定、マスク着用、アルコール消毒、出張制限、リモートワークの推進、リモート審査やリモート工場検査の実施など、様々なモニタリング、感染症対策を実施してきました。

    今回は、その中でリモート審査やリモート工場検査について、お話させていただきます。

    Remote Audit 
    そもそも、当初誰もがこの新型コロナウイルス感染症が、ここまで全世界で、また、長期間に渡り影響を及ぼすとは思っていませんでした。
    しかし、このような状況に対応するためのルールがマネジメントシステム認証制度ではあるのでしょうか?
     
    マネジメントシステム認証とIAF(国際認定フォーラム)について
    さて、IAF (国際認定フォーラム)は、IAFメンバーにより認定された認証機関が発行する適合性評価結果が全世界で受け入れられるよう、各国の認定機関の間で相互承認協定を運用し、貿易の推進、規制当局の支援を行っています。
    IAFメンバーである認定機関やそれらに認定されている認証機関は、適用される国際規格や該当するIAF適用文書に適合することが要求されています。
    この適用文書には、MD (基準文書)やID (参考文書)などがあります。
    この適用文書の中には、もちろん新型コロナウイルス感染症などの感染症の流行に対してのみ適用文書ではありませんが、様々なケースを想定したルールが策定されており、今回のコロナ禍でも適用されています。
     
     
    コロナ禍で適用されるMD(基準文書): MD4 『認証審査/認定審査を目的とした情報通信技術(ICT)の利用に関するIAF基準文書』
    この基準文書は、情報通信技術(ICT)の高度化に伴い、認証審査や認定審査の有効性および効率性を最適化し、審査プロセスの完全性を支え、維持するための、ICTの利用に関する基準が定められています。
    この基準では、ICTの利用例として、以下のような内容が取り上げられています。
    • 音声、映像およびデータ共有を含む、遠隔会議設備を用いた会議
    • 情報への同期または非同期の遠隔アクセスによる、文書および記録の審査
    • 静止画、動画または音声の記録を用いて情報および証拠を記録する
    • 遠隔地または危険性のある所在地への映像・音声アクセスの提供
    同基準では、ICTを利用した審査に対して、『セキュリティおよび機密保持』『リスクおよび機会の特定』『審査員の力量』『工数の決定』『必要な記録』などが規定されています。
     
    コロナ禍で適用されるMD(基準文書): ID3 『認証機関、適合性評価機関および認証された組織に影響を及ぼす非常事態または特殊な状況の管理に関するIAF参考文書』
    この参考文書は、組織の統制を超えた非常事態または特殊な状況が発生した際、認定および認証を適切に維持するためのプロセスを持つための指針が定められています。
    この指針では、非常事態または特殊な状況の定義として、『組織の統制を超えた状況で、通常「不可抗力」または「天災」と言われ、以下のように例が取り上げられています。
     
     『戦争、ストライキ、暴動、政情不安、地理的・政治的緊張、テロ、犯罪、パンデミック、洪水、自身、悪意のあるコンピュータハッキング、その他の天災または人災』

    同指針では、非常事態や特殊な状況における認証や審査の取り扱いについて、『リスクの特定』『オフサイトレビュー』『許容される審査時期の延期』『認定機関への報告』などが規定されています。
     
    コロナ禍におけるNemkoによるマネジメントシステム認証の審査について
    さて、上記でコロナ禍に関連するIAF基準文書とIAF参照文書の概要をご説明しましたが、これらの基準を適用した上で、Nemko Japanが2年間実施してきた、マネジメントシステム認証審査における対策や対応についてお話させていただきます。
    • 社員および審査員の体調管理モニタリングの実施
    • 本人または家族の体調不良時の出社制限の実施
    • 事務所内での各種感染症対策の徹底 (アルコール消毒、マスク着用、パーティション設置)
    • リモートワークの導入 (社内の出社人員数の低減による密の回避)
    • お客様への弊社対策のご案内と認証および審査の取り扱いについての情報発信
    • 顧客別、審査案件別のリスクアセスメントの実施
    • 審査員へのMicrosot Teamsを利用したリモート審査実施の研修
    • お客様へのリモート審査実施に向けたご案内、テスト接続を含むリモート審査手順の確認
    • Microsoft Teamsを利用したリモート審査の実施、一部記録の事前提出による審査の実施
    • モバイル端末を活用したリモート審査での現場確認の実施
    • 審査員の出張制限、公共交通機関の利用制限、社用車での移動の実施
    • 実地審査を行う場合の審査員の感染症対策の実施、抗原検査の実施
    • 審査の実施ができない場合の審査時期の延期
    この2年間のマネジメントシステム認証審査は、様々な制約がある中で、上記の対策や対応を行うことで、大きな問題もなく、また、社員および審査員において、感染者を出すことなく、お客様にもご迷惑をお掛けせず、認証サービスを提供し続けることができました。
    100%完全な対策はありません。しかし、認証サービスを提供する機関として、お客様の安心と安全を確保し、また、審査員の安全を確保することは重要な使命の一つであり、実施可能な対策を徹底することが重要だと認識しています。

    貴社も、安心と安全を担保したNemkoのマネジメントシステム認証を選択しませんか?

    Nemkoについて

    Nemkoは、マネジメントシステムの認証機関として、ISO 9001、ISO 14001、ISO 45001、ISO/IEC 27001、ISO 22301などの様々なマネジメントシステム規格に基づく認証を世界で提供しています。 日本国内では、複数規格に基づく統合マネジメントシステムの審査を早くから開始し、効果的な審査の実施、経営に有効活用できるマネジメントシステム認証を通して、受審組織の企業価値の向上に繋がる審査を心掛けて提供しています。また、Nemkoは、新型コロナウイルス感染症の流行下において、お客様に安心して審査を受審いただけるよう、必要な感染症対策を徹底しています。

    Nemkoによるマネジメントシステム認証に関するお問い合わせは、こちらまで。

     

    Akira Niida

    2003年のNemko Japan創立から参画し、20年近くにわたって、様々な産業分野におけるマネジメントシステム認証審査、国際的な製品認証制度における工場検査などを、日本国内において実施。 審査、工場検査、セミナー等を数多く実施するとともに、2013年より代表取締役ジェネラルマネージャーとして、Nemko Groupの日本法人の代表を務める。

    あなたが興味を持つかもしれないその他の記事