AIやデジタル製品を利用・提供する企業は、技術の導入と併せて、利用ルール、責任者、リスクへの対応方法を整える必要があります。顧客や取引先にその管理体制を説明できることは、事業上の信頼を支える要素になります。
まず自社に関係する対象と役割を整理
Nemko Digitalが2026年8月に公開した記事では、ベネルクス地域の経営層との対話から、デジタルトラストに関する課題を紹介しています。特に、自社のリスクや規制上の立場を把握する前に、方針や管理策の整備を進めてしまう点が指摘されています。
対応を始める際は、自社がどのAIやデジタル製品を開発・提供・利用しているか、どの市場に関わるかを整理することが有効です。EU AI ActやCRAなどの名称だけで一律の対策を決めず、各制度の適用範囲と自社の役割に応じて確認を進めてください。
社内の判断主体を明確にする
同記事は、AI利用の承認やリスク判断について、責任と権限を明確にすることの重要性を挙げています。外部サービスを購入していても、自社での使い方や管理について確認すべき事項は残ります。
実務への落とし込みとして、新たなAI用途を承認する人、問題を報告する窓口、運用の変更・停止を判断する人を決めておくことをお勧めします。機密情報を入力してよいか、出力を誰が確認するかなど、日々の利用場面で判断できるルールも必要です。
管理の実態を説明できるようにする
同記事では、調達や取引先選定の場面で、AIガバナンスやサイバーリスク管理を示すことが求められるようになっていると紹介されています。方針文書に加え、業務の中でどのように管理しているかを説明できることが重要です。
例えば、利用中のAI・ソフトウェアの一覧、リスク評価の記録、承認履歴、教育の実施記録、問題発生時の連絡体制を整理すると、自社の運用状況を把握しやすくなります。これは、同記事の論点を企業の実務へ適用するための提案です。
優先度の高い業務から改善を進める
まず、自社の製品・業務に影響するリスクを洗い出し、現在の管理方法との不足を確認してください。そのうえで、責任体制と利用ルールを整え、実際の運用を点検することをお勧めします。
Nemko DigitalのAIガバナンスやサイバーセキュリティに関する支援については、Nemko Japanの担当窓口へお問い合わせください。japan@nemko.com