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    Sep 17, 2026

    ISO 9001:2026が正式発行―約11年ぶりの改訂、移行期間は3年間

     2026年9月16日、品質マネジメントシステム(QMS)の国際規格「ISO 9001:2026(Quality management systems — Requirements)」が正式に発行されました。

     ISO 9001の改訂は2015年版以来、約11年ぶりです。今回発行されたISO 9001:2026は第6版となります。ISOの公式情報では、ISO 9001:2015およびISO 9001:2015/Amd 1:2024は「Withdrawn(廃止)」となり、ISO 9001:2026が現行版として位置付けられています。

     ただし、ISO 9001:2015が規格として廃止されたことは、ISO 9001:2015に基づいて発行された既存の認証が2026年9月16日に直ちに無効になったことを意味するものではありません。既存の認証については、所定の移行期間に沿ってISO 9001:2026への移行が行われます。


     ISO 9001とは 

     ISO 9001は、組織が品質マネジメントシステムを確立し、実施、維持し、継続的に改善するための要求事項を定めた国際規格です。

     製造業、サービス業をはじめ、規模や業種を問わずさまざまな組織が利用できます。顧客要求事項や適用される法令・規制要求事項を満たす製品・サービスを一貫して提供し、顧客満足の向上につなげるための枠組みとして世界各国で利用されています。なお、ISO 9001を利用するために第三者認証の取得が必須とされているわけではなく、認証を取得するかどうかは組織の選択です。

     

     ISO 9001:2026では何が変わったのか 

     ISOによると、今回の改訂は、ISO 9001の基本的な枠組みを維持しながら、規格の明確性、使いやすさ、現在の事業環境との関連性を高めることを目的としたものです。

     主な変更として、リーダーシップ、品質文化および倫理的行動への重点が強化されたほか、「リスク」と「機会」の取扱いがより明確に区別されています。また、要求事項の意図や主要な概念の理解を支援するため、新たな附属書A(Annex A)が追加され、他のISOマネジメントシステム規格との整合性も改善されています。

     一方、顧客重視、プロセスアプローチ、リスクに基づく考え方、継続的改善といったISO 9001の基本的な考え方は維持されています。ISOは今回の改訂について、従来の枠組みを大きく変更するものではなく、デジタル化、組織の知識、複雑化するサプライチェーン、レジリエンスなど、現在の事業環境を反映した更新であると説明しています。2024年の追補で導入された気候変動への考慮も2026年版に引き継がれています。

     今回の記事はISO 9001:2026正式発行の第一報として、変更された要求事項の詳細には踏み込みません。

     今後、Nemko Japanブログでは、ISO 9001:2015との違いをはじめ、品質文化、倫理的行動、リスクと機会、リーダーシップ、附属書Aなど、ISO 9001:2026の変更点をテーマごとに詳しく解説していく予定です。

     

     ISO 9001:2026への移行期間は3年間 

     認証を取得している組織にとって重要となるのが、ISO 9001:2026への移行スケジュールです。

     Global Accreditation Cooperation Incorporated(Global ACI)は、ISO 9001:2026への移行に関する必須文書「Global ACI-TECH-3-TR 2029-09-30 (M) Transition Requirements for ISO 9001:2026」を2026年9月4日付で発行しています。

     同文書の適用日は、ISO 9001:2026の正式発行日と同じ2026年9月16日です。また、Global ACIは同日、ISO 9001:2026の移行要求を公式ニュースとして公表しました。

     Global ACIが定めた移行期間は3年間です。Global ACI MRAの適用範囲にある認定されたISO 9001認証について、ISO 9001:2015の認証を取得している組織は、2029年9月30日までにISO 9001:2026への移行を完了することとされています。

     また、2028年3月31日以降、新規・初回の認定されたISO 9001認証はISO 9001:2026に基づいて発行することが求められています。既存の認証取得組織の移行は、定期的なサーベイランス審査や再認証審査と組み合わせる方法、または別途移行審査を実施する方法が示されています。

     具体的な移行時期や審査手続きについては、認証を受けている認証機関からの案内を確認することが重要です。Nemko Japanでは、既存のお客様に対して、随時移行に関するご案内を進めて参ります。

     

     日本企業は「JIS Q 9001」の動向にも注意 

     日本国内でISO 9001を運用している組織では、JIS Q 9001の動向についても確認が必要です。

     2026年9月23日時点で、日本規格協会ではJIS Q 9001:2015が「有効」と掲載されており、JIS Q 9001:2015/AMENDMENT 1:2025が発行されています。ISO 9001:2026が発行されたことによって、日本産業規格であるJIS Q 9001が同日に自動的に2026年版へ切り替わるわけではありません。

     そのため、日本国内でJIS Q 9001を使用している組織は、ISO 9001:2026の内容とともに、今後公表されるJIS Q 9001の改正動向についても確認していく必要があります。

     

     まずは正式版と移行スケジュールの確認を 

     ISO 9001:2026は発行されたばかりです。

     ISO 9001:2015認証を取得している組織にとって、規格の発行と同時に既存認証が失効するわけではありません。まずはISO 9001:2026の正式な規格内容を確認するとともに、自組織の認証サイクルや認証機関から案内される移行スケジュールを確認することが重要です。

     Nemko Japanでは、ISO 9001:2026への認証移行に関するスケジュールや移行審査の手続きなど、認証プロセスに関するお問い合わせを受け付けています。

     第三者認証機関として公平性および独立性を維持するため、認証取得を目的とした個別の品質マネジメントシステムの構築方法や、規格要求事項への具体的な適合方法を決定するコンサルティングは行っていません。 今後もNemko Japanブログでは、ISOおよび認定機関等から公表される公式情報を確認しながら、ISO 9001:2026の変更点や認証移行に関する情報を順次お伝えします。

    ISO 9001: 2026規格、ISO 9001認証、他規格との統合審査、改訂規格解説セミナーなどのお問い合わせは、japan@nemko.comまでご連絡ください。

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