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    Jul 31, 2026

    第3回:ISO/IEC 42001とAI Trustサービスで、AI活用を「説明できる経営」に変える ― EU AI Act時代に求められる、信頼されるAIガバナンスの作り方 ―

    1. AI活用の競争力は「信頼性」で決まる時代へ

    AI活用に関する企業の関心は、ここ数年で大きく変化しています。

    以前は、「AIで何ができるか」「どの業務を効率化できるか」が中心でした。 しかし現在は、それに加えて、「そのAIは信頼できるか」「リスクを管理しているか」「顧客や規制当局に説明できるか」が問われるようになっています。

    AIは業務効率化の手段であると同時に、企業のガバナンス、コンプライアンス、ブランド価値に関わる重要な経営テーマになっています。

     

    2. EU AI Actが示す新しいAIガバナンスの方向性

    EU AI Actの成立により、AIの利用は単なる技術導入ではなく、ガバナンス、リスク管理、説明責任の問題として扱われるようになりました。

    EU AI Actは、AIシステムや汎用AIモデルの提供者・利用者に対し、リスクに応じた義務を課す規則です。

    EU域外の企業であっても、EU市場にAIシステムを提供する場合や、AIの出力がEUで使用される場合には、適用対象となり得ます。

    つまり、日本企業にとっても、AIをどのように管理し、どのように説明できる状態にしているかが、海外ビジネスや取引継続に影響する可能性があります。

     

    3. 生成AI・チャットボットにも透明性が求められます

    生成AIやチャットボットを扱う企業には、透明性に関する対応も重要になります。

    人と直接やり取りするAIについては、利用者がAIとやり取りしていることを認識できるようにする必要があります。 また、AI生成コンテンツについては、AIにより生成又は操作されたものであることを表示又は検出可能にする考え方が求められています。

    これは、マーケティング、カスタマーサポート、社内文書作成、コンテンツ制作、教育、営業活動など、幅広い業務に関係します。

    生成AIを便利なツールとして導入するだけでなく、利用ルール、レビュー体制、禁止事項、出力管理、機密情報の取扱い、著作権や個人情報への配慮を含めた管理が必要です。

     

    4. 日本国内でもAIガバナンスの整備が進んでいます

    日本国内でも、AIガバナンスに関する議論は進んでいます。

    経済産業省・総務省は「AI事業者ガイドライン」を公表しており、AIを開発・提供・利用する事業者が、AIリスクを適切に把握し、ライフサイクル全体で必要な対策を講じるための実務的な参照情報となっています。

    日本のAI規制は、現時点ではEU AI Actのような包括的な罰則型規制とは性格が異なります。 しかし、企業に対してAIガバナンス、リスク管理、透明性、説明責任が求められる流れは共通しています。

    今後、顧客、取引先、海外拠点、監査部門、投資家から、AIの管理状況について説明を求められる場面は増えていくと考えられます。

     

    5. 企業に求められるAIガバナンスの基本要素

    AIガバナンスを整備するためには、次のような要素が必要です。

    • AIをどの部門で、どの目的で使用しているかを把握する
    • AIに関する責任者と意思決定プロセスを明確にする
    • AIリスクアセスメントを実施する
    • AIシステムインパクトアセスメントを実施する
    • データ管理、ログ管理、変更管理を整備する
    • 人による監督の方法を定める
    • 生成AIの利用ルールを整備する
    • AIに関する教育とリテラシー向上を行う
    • 内部監査とマネジメントレビューにより継続的に改善する

    重要なのは、これらを一度きりの対応で終わらせないことです。 AIシステムは、利用目的、データ、モデル、外部環境の変化により、リスクが変化します。そのため、継続的に管理し、見直す仕組みが必要です。

     

    6. ISO/IEC 42001はAIマネジメントシステムの国際規格です

    この仕組みを国際規格に基づいて構築するための有力な選択肢が、ISO/IEC 42001(AIマネジメントシステム)です。

    ISO/IEC 42001は、組織がAIマネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するための要求事項を定めています。

    ISO/IEC 42001の価値は、AIリスクを個別担当者の経験や属人的判断に任せるのではなく、組織として管理できる状態にする点にあります。

    経営方針、役割と責任、AIリスク、AIシステム影響評価、運用管理、内部監査、マネジメントレビュー、継続的改善を通じて、AI活用を経営管理の中に組み込むことができます。

     

    7. ISO/IEC 42001認証のメリット

    ISO/IEC 42001認証は、単に認証書を取得するための取り組みではありません。

    顧客、取引先、海外拠点、投資家、従業員に対して、「当社はAIを無秩序に使っているのではなく、リスクを理解し、管理し、改善する仕組みを持っている」と説明するための基盤になります。

    特に、次のような企業には、早期の検討を推奨します。

    • AIを組み込んだ製品・サービスを提供している企業
    • EU又は海外市場に製品・サービスを展開している企業
    • 採用、人事、教育、与信、保険、医療、安全関連領域でAIを利用している企業
    • 生成AIを社内外で本格活用している企業
    • AI利用について顧客や親会社から説明を求められている企業
    • ISO 9001、ISO/IEC 27001、ISO 14001など、既存のマネジメントシステムを運用している企業

     

    8. 既存のマネジメントシステムと接続できます

    既存のマネジメントシステムを持つ企業であれば、ISO/IEC 42001はゼロから構築するものではありません。

    品質、情報セキュリティ、個人情報保護、リスクマネジメント、コンプライアンスの仕組みと接続しながら、AI固有のリスクと管理策を追加していくことができます。

    たとえば、ISO 9001のプロセス管理、ISO/IEC 27001の情報セキュリティ管理、個人情報保護マネジメント、内部監査、マネジメントレビューの仕組みを活用しながら、AIリスク管理を組織に組み込むことが可能です。

     

    9. AIを「使う」から「信頼される」段階へ

    AI活用の成否は、導入スピードだけでは決まりません。

    これからの競争力は、AIを信頼される形で使いこなせるかどうかで決まります。

    ISO/IEC 42001認証やAI Trustサービスに関心をお持ちの企業様は、ぜひNemko Japanまでご相談ください。AIを「使う」段階から、「説明できる」「信頼される」段階へ進めるために、今から準備を始めることが重要です。

    企業のAI活用状況、業種、海外展開、既存のマネジメントシステムの有無に応じて、必要な対応は異なります。まずは、自社のAI活用がどのようなリスクと機会を持っているのかを確認することが重要です。

     

     

    Nemko Japanは、第三者認証機関として、ISO/IEC 42001認証およびAI Trust関連サービスに関するご相談を承っています。

    • AI活用の現状整理
    • EU AI Actを見据えたギャップ確認
    • AIリスクアセスメント
    • AIシステムインパクトアセスメント
    • ISO/IEC 42001認証に向けた準備状況の確認
    • AIガバナンス体制の整備に関するご相談

     

    AIを使うこと自体は、もはや珍しいことではありません。

    これから問われるのは、AIを安全に、説明可能に、継続的に管理できる組織であるかどうかです。

    AIを事業成長に活かしながら、顧客や社会から信頼される仕組みを整備したい企業様は、ぜひNemko Japanにご相談ください。

    ご相談は、Nemko Japan (japan@nemko.com)までご連絡ください。

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