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    Apr 7, 2026

    2026年に対応したい IEC 60079 規格改訂のポイント―ATEX/ IECEx対応防爆機器メーカーが備えるべきこと

    ATEX・IECEx対応メーカーが備えるべきこと

    危険場所で使用される機器に適用される IEC 60079 シリーズは、継続的に見直しが行われています。なかでも 2026年から2027年にかけては複数規格の改訂や整合化が進む見込みであり、防爆機器を扱うメーカーにとっては、設計・試験・文書・認証計画の見直しを早めに進めておきたいタイミングです。

    ATEX、IECEx、さらにグローバル市場への展開を視野に入れる場合、規格改訂への対応は単なる更新作業ではなく、将来の認証スケジュールや設計の安定性にも関わる重要なテーマです。今回は、2026年に向けて注目したい IEC 60079 の改訂ポイントと、今のうちに進めておきたい実務対応を整理します。

    なぜ今、IEC 60079 の改訂動向を確認する必要があるのか

    IEC 60079 シリーズは、爆発性雰囲気で使用される機器について、設計、構造、試験、表示、文書化、保守に関する要求事項を定める中核規格です。
    このため、ひとつの改訂が与える影響は、単なる条文の変更にとどまりません。

    たとえば、以下のような点に影響する可能性があります。

    • 使用部品や材料の選定
    • PCBや離隔距離の設計条件
    • 故障評価の考え方
    • 試験項目や試験条件
    • 銘板表示や取扱説明書の内容
    • 品質保証文書や工場管理の手順

    すでに認証済みの製品であっても、将来的な更新や派生モデル展開の際に影響が出ることがあるため、現行認証品と新規開発品の両方を視野に入れた確認が重要です。

    2026年に注目したい主な IEC 60079 改訂テーマ

    1. IEC 60079-11 Edition 7

    本質安全防爆 “Ex i” の見直し

    本質安全防爆に関する IEC 60079-11 の最新版では、特に設計審査や評価実務に関わる変更が注目されています。
    主な論点としては、離隔距離、故障評価、PCBトラック間隔、銅厚、電池・セルの試験条件、特定用途におけるセンサー関連要求などが挙げられます。

    本質安全機器や、Ex i 回路を含む構成を持つ製品では、設計の妥当性確認や既存文書との整合チェックを早めに進めておくことで、後工程での手戻りを抑えやすくなります。

    2. IEC 60079-15 の改訂

    Type “n” 保護の整理

    Type n を採用する Zone 2 向け機器では、関連規格の改訂内容が認証戦略に影響する可能性があります。
    ATEX整合の観点も含めて確認を進めておくことで、対象市場ごとの要求整理や評価方針の明確化につながります。

    特に、コスト効率と設計自由度のバランスを重視する製品では、Type n の位置づけを改めて確認しておく意義があります。

    3. IEC 60079-0 Edition 8

    一般要求事項の改訂動向

    IEC 60079-0 は複数の保護方式に共通する一般要求事項を定めるため、シリーズの中でも影響範囲が広い規格です。
    今後の改訂では、表示、材料、構造、使用条件、温度範囲、検証および試験義務などに関わる見直しが注目されています。

    新規プロジェクトだけでなく、既存プラットフォーム製品を継続展開しているメーカーにとっても、先行して動向を把握しておくことが有効です。

    4. IEC 60079-18:2025 Edition 5

    封止保護 “m” の要求強化

    エポキシやポッティング材を使用する製品では、IEC 60079-18 の改訂にも注意が必要です。
    硬化条件、材料仕様、故障評価、部品の使用条件、検証文書の整備など、設計と製造の両面に関わる要求が強化される可能性があります。

    封止を用いる製品では、材料管理や量産時の管理方法まで含めて確認しておくことで、認証段階での指摘を減らしやすくなります。

    5. IEC 60079-19

    修理・オーバーホールに関する確認

    製造段階だけでなく、製品ライフサイクルの後半に関わる規格として IEC 60079-19 も見逃せません。
    保守や修理を伴う製品では、再生後も防爆性能を維持できるよう、運用手順やサービス条件の見直しが求められることがあります。

    アフターサービスや現地保守まで含めて製品提供を行う場合は、早い段階での整理が有効です。

    6. IEC 60079-46

    機器アセンブリ評価への対応

    パネル、スキッド、システムユニットなど、複数機器を組み合わせた製品では、部品単体ではなく完成アセンブリとしての評価が重要になります。
    IEC 60079-46 では、アセンブリレベルでの着火危険性評価、リスク低減の責任範囲、表示条件などが整理されています。

    OEM製品や統合システムを扱う企業では、個別部品認証だけでは足りないケースもあるため、構成全体での適合性確認がポイントになります。

    メーカーが今進めたい実務対応

    規格改訂に対して、まず取り組みやすいのは次の3点です。

    1. 適用規格と版数の棚卸し

    製品ごとに、どの IEC/EN 規格のどの版を前提にしているかを整理します。
    これにより、改訂の影響を受ける製品群が見えやすくなります。

    2. 新規格とのギャップ分析

    本質安全防爆、封止、耐圧構造、アセンブリ評価など、影響の大きい部分から優先的に比較を行います。
    ギャップ分析を早めに進めることで、設計変更や追加文書の必要性を事前に把握しやすくなります。

    3. 認証・文書更新の準備

    技術文書、銘板表示、EU Declaration of Conformity、取扱説明書、品質関連文書などは、設計と同時並行で確認しておくのが理想です。
    設計だけ先に進めてしまうと、最終段階で文書整合に時間がかかることがあります。

    早めの確認が、認証スケジュールの安定につながる

    防爆規格の改訂は、安全性向上のために不可欠である一方、メーカーにとっては設計・評価・認証の調整項目を増やす要因にもなります。
    だからこそ、規格が完全に切り替わってから対応するのではなく、改訂動向を見ながら前もって準備することが重要です。

    とくに次のようなケースでは、早めの相談が有効です。

    • 新製品の防爆設計をこれから進める
    • 既存認証品の設計変更やシリーズ展開を予定している
    • 最新規格との差分を整理したい
    • 現在の認証体制や評価スキームを見直したい
    • 他認証機関で進めている案件について、今後の進め方を検討したい

    ATEX・IECExに関するご相談は Nemko Japan 製品認証部へ

    Nemko Japan 製品認証部では、ATEX、IECEx に関するご相談を承っています。
    新規格とのギャップ分析、設計段階での規格確認、既存認証案件の見直し、認証機関の見直しを含む今後の進め方のご相談まで、製品仕様や対象市場に応じてサポートいたします。

    ATEX・IECExのエキスパートがご相談を承ります。

    お問い合わせ:Nemko Japan 製品認証部
    Email:japan@nemko.com

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