Skip to content
探す  
    Apr 28, 2026

    ガス検知器は「防爆型式規格だけ」で整理できるのか――見落とされやすいパフォーマンス規格・性能評価の視点

    ガス検知器の認証や規格整理では、しばしば見落とされるポイントがあります。
    それは、Ex d、Ex i などの防爆型式規格を押さえていれば、製品としての整理も概ね完了していると受け取られがちな点です。

    確かに、IEC 60079-0 は、爆発性雰囲気で使用される Ex Equipment / Ex Components に対する一般要求事項として、構造、試験、表示の基本を定める重要な規格です。さらに、IEC 60079-1 は耐圧防爆 “d” に関する要求を扱い、IEC 60079-11 は本質安全防爆 “i” に関する構造・試験要求を扱います。IEC 60079-1 は IEC 60079-0 を補完・修正する個別規格であり、IEC 60079-11 も 60079 シリーズの中で本質安全防爆 “i” の要求事項を定める規格です。
    すなわち、これらは主として、機器が着火源とならないよう、どのように防爆構造を成立させるかを評価するための枠組みといえます。

    一方で、ガス検知器を製品として見る場合、論点はそれだけでは終わりません。
    危険場所で安全に使用できることに加え、ガスを検知する装置として、どのような条件下で、どのような性能が求められるのかという視点も欠かせません。

    旧 IEC 60079-29-1:2016 では、可燃性ガスまたは蒸気の検知・測定を行う portable、transportable、fixed equipment について、構造、試験、性能に関する要求が規定されていました。これは、少なくとも従来の規格体系において、ガス検知器には防爆構造とは別に、検知性能という整理軸が存在していたことを示しています。

    このため、防爆認証があることと、ガス検知器として必要な評価の全体像が整理されていることは、必ずしも同義ではありません。
    証明書の見た目だけでは十分に読み切れないケースがあるのは、まさにこの点にあります。

    さらに現在は、規格体系そのものも移行期にあります。
    IEC 60079-29-0:2025 は、IEC 60079-29-1:2016 および Amendment 1:2020、さらに IEC 60079-29-4:2009 を置き換える形で整理されています。こうした状況では、単純に「Ex d / Ex i があるから大丈夫」とみなすよりも、対象製品がどの整理に属するのか、また手元の評価資料がどこまでをカバーしているのかを丁寧に見極めることが、結果として近道になる場合があります。

    実際には、この種の確認は規格番号だけで一律に判断するよりも、製品の検知方式、構成、既存レポートの適用範囲、想定市場で求められる文書の見せ方まで含めて整理したときに、初めて輪郭が見えてくることが少なくありません。
    そのため、早い段階で論点を可視化できた企業ほど、追加確認や手戻りを抑えやすくなる傾向があります。

    要するに、ガス検知器において防爆型式規格は重要な土台です。
    しかし、実務上の整理は、そこで自動的に完結するとは限りません。
    防爆であることと、ガス検知器として求められる評価が十分に整理されていることは、似ているようで異なる論点です。

    この違いを適切に切り分けられるかどうかが、認証戦略の完成度に少しずつ差を生みます。既存の認証書や試験レポートをどう整理するか、またどの製品から性能規格の取得を進めていくのがよいかは、製品仕様や対象市場によって判断のポイントが異なります。特に、既存資料の読み解き方や優先順位の付け方によっては、後工程で追加確認や見直しが発生することもあります。Nemko Japanの既存のお客様であれば、これまでの案件経緯や資料構成を踏まえたうえで、より連続性のある整理をご提案しやすい場面もあります。

    対象製品ごとの進め方を戦略的に整理したい場合は、Nemko Japan製品認証部 japan@nemko.com までお問い合わせください。個別の製品仕様や既存証明書の構成を踏まえて確認することで、見落としや不要な遠回りを避けやすくなります。

     

    Nemko

    Nemko

    Other posts you might be interested in