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    Apr 25, 2025

    2025年最新版:ISO 9001/ 14001/ 45001/ 13485 - 改訂の全貌と今、準備すべきこと

    2026〜2028 年にかけて、主要マネジメントシステム規格がそろって動き出します。
    認証機関として、私たちがお勧めしたいのは「改訂が確定してから動く」ではなく「ドラフト段階から先手を打つ」ことです。

    本記事では 2025 年4月末時点で判明している公式情報をもとに、各規格の改訂背景・進捗・今後のスケジュールと、組織が取るべきアクションをまとめました。

     

    1. ISO 9001: 9年ぶり全面改訂、2026 年9月発行へ

    • 改訂背景
       2015 版発行後の定期見直し(2020 年)は改訂不要と判断されたものの、DX・サプライチェーンレジリエンス・サステナビリティなど新要求への対応が急務となり、2023 年に早期改訂へ方針転換。WG 29 が改訂プロジェクトを主導しています。​ISO Committee

    • 現在の進捗
       2024 年に CD(委員会原案)をまとめ、コメント反映版 CD2 が 2025 年1 月に登録。3〜4 月の WG 会合で DIS 原稿を作成中です。

    • 今後の予定

    ステージ 予定時期 参考
    DIS 公開 2025 年中 WG29 会合資料
    FDIS 投票 2026 年 5–6 月
    発行(第 6 版) 2026 年 9 月 ISO Committee
    移行期限 2029 年(3 年後) IAF 移行ポリシー想定

    ポイント : 9001 を土台に統合している企業は、リスクマネジメントや組織のレジリエンス条項の強化を想定したギャップ分析を 2025 年中にスタートしておくとスムーズです。


    2. ISO 14001: 追補方式で改訂、2026 年版が視野に

    • 改訂背景
       気候変動コミットメント(ロンドン宣言)の反映と Annex SL 更新への整合が主眼。大幅な条項追加ではなく、既存要求の“意図を明確化”する軽微改訂として Amendment 方式が採られています。​ISO Committee

    • 現在の進捗
      Amendment 1「Climate Action Changes」が 2024 年2 月に発行。Draft Amendment 2 は 2025 年2 日に DIS 投票が開始され、12 週間の審議中です。​ISO

    • 今後の予定

    ステージ 予定時期 参考
    DIS 投票終了 2025 年 5 月 ISO
    FDIS 登録 2025 年 8 月 JTC 207/SC1 事業計画
    Amendment 2 発行 2025 年 12 月
    全内容を織り込んだ新版(第 3 版) 2026 年初頭


    • ポイント : 変更は「要求増」ではなく「解釈の明瞭化」。環境側面のライフサイクル視点や変更管理の条文独立など、システム文書と手順の表現調整が中心です。

    3. ISO 45001 ― 初版後初の見直し、2027 年版をターゲット

    • 改訂背景
       コロナ禍・メンタルヘルス・気候変動など新たな労働安全衛生課題への対応を盛り込むため、2023 年12 月に改訂着手が正式承認されました。​ISO Committee

    • 現在の進捗
       レビューは 2024 年 7 月に開始予定。プロジェクト期間は 2〜3 年で、2027 年発行を見込んでいます。​ISO Committee

    • 今後の予定(案)

    ステージ 予定時期
    WD/初期ドラフト 2024 年後半
    DIS 公開 2026 年
    発行(第 2 版) 2027 年
    移行期間 2030 年頃まで(想定)
    ポイント : 45001 を単独で運用している組織はもちろん、複数規格を統合している場合は 心理的健康在宅/リモートワーク気候関連 OH&S リスク をカバーできているか確認が必要です。

    4. ISO 13485 ― 2025 年システマティックレビュー次第

    • 現状
       医療機器規制と密接なため「頻繁な改訂は業界負担が大きい」との声が多く、ISO/TC 210 は 2020 年に「次回レビューを 2025-01-15 まで開かない」と決定。現行 2016 版は最低でもレビュー完了までは有効です。​ISO Committee

    • 補完策
       規格改訂を待たず、解釈指針や TS・TR ドキュメント(例: ISO/TS 23485 草案)が並行して整備される予定です。

    ポイント : 医療機器メーカーは、国際規制(FDA QMSR・EU MDR 等)が 2016 版前提であることを踏まえ、レビュー結果を注視しつつ技術仕様書で補完されるガイダンスを活用するのが得策です。


    改訂がクロスオーバーする組織への 3 つの提言

    1. 先行ギャップ診断 – DIS/DAmd 公開時点で条文差分を洗い出し、複数規格の共通・相違点を同時に整理!

    2. 文書体系のフレキシビリティ確保 – Annex SL ベースの統合マニュアルを採用し、条文改番や追補への追従を低コスト化!

    3. 従業員教育の段階実施 – 2025 年は管理職・内部監査員向けの「改訂ポイント集中講座」、2026 年以降は現場含めた全社展開へ!

     

    規格改正に関するご質問は、Nemko Japan MS認証部まで、お気軽にご相談ください。 改訂の波を「リスク」ではなく「競争優位のチャンス」に変えるお手伝いをいたします。


    ≪参考情報≫

    • ISO/TC 176 SC2 WG29 ― 「ISO 9001 改訂タイムライン(発行予定:2026 年9 月)」​ISO Committee
    • ISO/TC 207 SC1 ― 「ISO 14001 Amendment プロジェクト(2023–2025)」​ISO Committee
    • ISO/TC 283 ― 「ISO 45001 改訂承認(2023 年12 月)とレビュー計画(2024–2027)」​ISO Committee
    • ISO/TC 210 ― 「ISO 13485:2016 次回システマティックレビュー開始日(2025-01-15)」​ISO Committee

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